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    <マレーシアの歴史>

    既に、紀元前50万年前には、ジャワ原人が現在のマレー半島近辺
    にも存在していたとされています。マレーシアにおける、人類の
    出現は世界的に見て、最も早い部類に属しているそうです。

    先史時代のマレーシアは、中国南部やベトナムの文化的、民族的
    影響を受け、そこから石器文化や青銅器文化が伝来したと言われ
    ています。

    紀元前後には、マレー半島を港の中心とした都市国家が形成され
    はじめ、その過程でインド文化が伝わったそうです。
    3世紀には、マレー半島は、カンボジアに興った国フーナンに支配
    されました。

    7世紀半ばには、東西交易がさらに活発になり、マラッカ海峡を
    通過する"海のシルクロード"が形成されました。

    10世紀前後には、スリヴィジャヤ王国がスマトラ、マレー半島、
    西部ジャワ一帯を治め、マラッカ海峡貿易を基盤とする大海洋国家
    が繁栄します。

    ついで、14世紀末から15世紀初頭に成立したマラッカ王国は、
    香辛料を中心とした東西貿易とともに急速に発展しました。
    15世紀半ばの全盛期には、マラッカ王国はマレー半島、スマトラ島
    東海岸地域を支配下に置きます。

    イスラム教は13世紀中頃から、既に広まっていました。5代国王の、
    ムザファール・シャー以後は、完全に、マラッカ王国はイスラム
    国家となりました。その結果、イスラム商人が数多く流入し、
    東南アジアにおけるイスラム教布教の中心地としての役割が高まり
    ました。

    1511年から約1世紀の間、マラッカはポルトガルによって支配され、
    カトリックやポルトガル文化の影響を受けました。1641年には、
    オランダがマラッカを占領し、天然資源(錫)の利権や香辛料など
    の貿易を独占的に扱いました。

    18世紀に入るとイギリスが東南アジアに進出してきます。1819年
    には、イギリスはシンガポールを獲得し、その後もマレー半島に
    対する支配を進め、1824年の英蘭条約により、オランダはマレー
    半島から撤退し、イギリスの支配になりました。

    20世紀には、第1次世界大戦の勃発や、自動車産業の発展により、
    マレー半島の重要性が高まり、ゴムや錫の輸出が、始まります。
    この時期、天然資源の拡大に伴い、大量の中国人が移住し、また
    イギリスは多くのインド人をマレー半島へ移住させたため、
    マレー半島では人種混合が進み、現在の多民族国家を形成する
    始まりとなりました。

    1941年、日本軍はマレー半島へ侵攻し、約3年間占領しました。
    第2次世界大戦後の1948年、イギリスは、マレー半島にあった9つ
    の首長国と、マラッカや、ペナンの直轄植民地を「マラヤ連邦」
    として保護国にしました。

    これに対し、日本占領下では日本軍と戦い続けた共産ゲリラは、
    イギリス支配に抵抗しイギリスと戦闘を始めました。1957年、
    マラヤ連邦はイギリス連邦の一国として独立を達成します。
    マラヤ連合党党首のアブドゥール・ラーマンは、初代首相に就任
    しました。

    1963年には、シンガポールや、その他のイギリス領を加えて、
    マレーシアが建国されました。しかし、マレーシアではマレー人
    優遇政策がとられ、マレー人と中国系との利害対立がおこり、
    1965年、シンガポールはマレーシアから脱退、分離独立しました。

    1970年、マレーシアは経済政策として、貧困の撲滅と人種構成を
    反映した雇用を目標とする「NEP: New Economic Plan(新経済政策)」
    を打ち出しました。

    この政策は、マレーシアの工業化に大きく貢献したものの、人種
    間の経済格差にはそれほど成果をあげませんでした。この事に不満
    を抱いたマレー人は、若年層を中心にイスラム回帰運動を展開しま
    した。社会情勢は混沌としていましたが、東南アジアの他の近隣
    諸国のような独裁政権や、国内紛争といった深刻な問題は発生しま
    せんでした。

    1981年、フンセン首相が健康を理由に辞職し、その後、副首相の
    地位にあったマハティールが首相に就任しました。マハティール
    は首相就任直後、日本や他のアジア諸国の成功に目を向けようと
    する"ルック・イースト政策"を打ち出しています。

    1988年以降、マレーシアは高い経済成長率を維持し、東南アジア
    の中でも先進的な地位を築いているそうです。